はじめに
私は緊急帝王切開で出産しました。
「出産は何があるか分からない」
聞いたことはありましたが、自分の出産を通して、本当にその言葉が身に沁みました。
緊急帝王切開になるタイミングは、人それぞれだと思います。
私の場合、子宮口全開大までいき、会陰切開も吸引分娩もして、そこから緊急帝王切開になりました。
正直、「え!ここまできて、帝王切開するの??」と思いました。
これから出産される方には、心構えとしてそういうケースもあることを知ってほしいと思いますし、帝王切開以外で出産された方にも是非知ってほしいと思っています。
出産前日までの話
出産までを振り返ってみます。
ちなみに私は、自然分娩を希望していました。
理由は、
「無痛分娩は麻酔が怖い」
「生理痛が重くて痛みには慣れているので、陣痛ってどんだけ痛いのか体験してみたい」
「”鼻からスイカを出す”とか”腰をダンプカーで轢かれる”とか聞くけれど、実際体験してみて、自分なりの感想を持ってみたい」
というものでした。
- 出産約6週間前
有休は使わず、法定のギリギリまで働き、産休開始!
産休に入ったのと同時くらいに、脚のむくみが悪化し、1週間に1~2キロ増え始めた。
それまで体重コントロールは結構頑張っていて、妊娠8ヵ月くらいで+6キロくらいだったので、ショック。
- 出産2週間前
脚がむくみすぎてビリビリ痺れる。動くと肝臓に負担がかかりすぎるため、足を高くして寝ているよう医師から指示を受けた。1週間に1~2キロ、足の体重が増えているので、足が重くて一回寝てしまうと動けなかった…
血圧は正常だったけれど、「これで血圧が上がったら妊婦高血圧症候群だよ」と言われ、元々減塩に気を遣っていたけれど、一層減塩生活を心掛けた。
また、赤ちゃんの首にへその緒が二重に巻き付いていることを指摘され、不安でたまらなくなる。

むくみ解消のため、沢山歩いてふくらはぎのポンプを動かそう!という記事をよく見かけたけれど、私は歩いてOKな次元を超えてしまっていたみたい。
- 出産前日
たまたま妊婦健診の日でした。脚はむくみすぎてパンパンで、爪が埋まりそうなほど…
子宮口は1センチで、赤ちゃんはまだまだ下がってきておらず、生まれる気配が無いと言われた。
しかし、血圧が20くらい上がっており、尿タンパクが高くなっていたため、「妊婦高血圧症候群になりかけている」と言われ、帰りに血液検査のための採血をし、3日後に検査結果を聞きつつ管理入院することに決まった。
管理入院という言葉にビビり、助産師さんに「管理入院ってことは、帝王切開ですか?」と涙目になりながら質問したのをよく覚えている。
病院からの帰り、タクシーに乗るまでの間にお腹が痛くなり、ちょこちょこ休みながら歩いた。
今思えば、これは前駆陣痛だったのかもしれない。
出産当日
出産当日
- 2:00頃 トイレに行きたくなって起き上がろうとしたら、バシャーっと液体が出てしまった。
お腹に力を入れても自分では制御できなくて、「尿漏れじゃなくて破水だ!」と気付く。
この時、私が管理入院にビビりすぎていたため、管理入院しなくて済むよう赤ちゃんが強行突破で破水させてくれたのだと感じました。
- 4:00頃 病院に到着。
破水であることが確認され、そのまま入院。
- 9:00頃 陣痛開始。子宮口1センチ。
- 11:00頃 子宮口6センチ。
陣痛がどんどん強くなり、キツイなと思い始めた。「痛いだけで開かないと辛いけど、順調に開いてきて良かったね」と助産師さんに言われた。
- 15:00頃 子宮口9センチ。
陣痛が来たときは痛くて痛くて、大声で叫んだ。陣痛は既に1~2分間隔だったように思う。
「今いきむと産道が裂けるから、深呼吸でいきみ逃しして」と言われたが、いきみたくて仕方なかった。
「陣痛の合間って、本当に何事もなかったように穏やかな瞬間だな~」とか、「こんなに痛いのに、人間って気絶しないものなんだな~」とか考えていた。
- ?:?? 時間はもう不明w
子宮口全開になり、「いきんでいいよ!」と言われ、助産師さんが、赤ちゃんをくるむ布と、赤ちゃんを乗せる台を持ってきてくれて、「ようやく生めるーー!」と感じて嬉しかった。
しかし、お腹に力が入らないというか、何に対して力を込めれば良いのか分からない状態で、全然生まれなかった。(後から聞いた話だと、赤ちゃんが全然下がってきていなかったらしい)
夕方になり、健診時間が終わったからか、医師が5人位、助産師さんが10人位集まってきて、みんなで応援してくれたのはよく覚えている。
何かの注射を2本打った。この時、「~~~なので(聞き取れなかった)、肩に注射しますね」と言われ、痛みで何が何だかよく分からない状態だったので、「え?肩?」と言ったら、「では、肩でなく~~にしますね(聞き取れなかった)」と言われた。※これがその後、後悔の原因の1つに
- ?:??
赤ちゃんが全然出てこず、吸引分娩をすることに。麻酔の注射を打ち、会陰切開もしたはずだが、陣痛が痛すぎて、軽い痛みに感じた…
何人かにお腹をグイグイ押されながら吸引分娩を2回くらい試みるも生まれず、「赤ちゃんに苦しいサインが出ているので、緊急帝王切開にしますね」と言われた。
その一言で、それまで、和気あいあいとした温かい活気ある雰囲気だったのに、一瞬で緊張感が張り詰めて、その空気の変化が怖くて泣きそうに。
事前に提出していた手術同意書を見せられたり、手術着に着替えさせられたり、めまぐるしくなった。
「すぐに家族に連絡してください!」と言われたものの、疲れ切っていてスマホで文字が打てる状況ではなく、電話した。
陣痛が痛くて叫びすぎたため喉がカラカラで水分を摂りたかったけれど、「手術前なのでもう絶飲絶食」と言われてショック(涙)
?:??
準備が整い、ストレッチャーに乗せられてオペ室に移動。ストレッチャーを運んでくれた助産師さんたちは走っていたように思う。
陣痛MAXだったんので叫びながら廊下を通り、エレベーターにも乗った。。
オペ室で、顔見知りの先生が「もう少しで麻酔するから楽になるからね」と言ってくれて、安心の涙が出そうだった。
陣痛の間隔がかなり狭まっていて、麻酔の注射をしようとした瞬間にまた陣痛がきて、動かないように何人にも押さえつけられながら麻酔をした
?:??
手術開始。
あんなに痛かったのが嘘のように何も感じないし、助産師さんや先生と喋る余裕が出てきた。麻酔ってすごい…
18:30 誕生
手術開始後、すぐ生まれてビックリ!「手2本あり」等々言っているのが聞こえてきた。
赤ちゃんを隣に運んでもらい、ちょこっと見せてもらい、触らせてもらった後、赤ちゃんは検査室へ。
事前に助産師さんにスマホを渡しておいたので、検査室で体重を測っているところなど写真を撮っておいてもらえた!
19:??
生まれた後、傷の縫合に1時間くらいかかったように記憶している。「洗浄なんとか」などの言葉が聞こえてきた。
この時、喉に痰が絡んで咳払いしたかったが、咳をしようとしたら麻酔でお腹に力が入らず、パニックになった。乾燥していたので、とりあえず手を口に当てようとしたら、手首がマジックテープのようなもので台にくくられていることに気付き(それまで目まぐるしすぎて、全く気付かなかった)、手が動かせないことで更にパニックに。
「気持ち悪い!気持ち悪い!」と叫んでしまい、医師に「危ない!お腹まだ開いているんだから!」と怒られた。(もっともです)
オペ室にいた看護師さんらしき方が、心配してずっと手を握ってくれて、心強かった。
酸素マスクが乾燥の原因ということで、誰かが酸素マスクを外し、オペ室用の不織布マスクに代えてくれたおかげで喉が潤い、少し落ち着きを取り戻すことができた。
?:??
産科フロアに戻ったら、手術前に声をかけてくれた先生が待っていてくれて「お疲れ様」と言ってくれた。嬉しかった。
その後、病室に入り、傷み止めの注射を打って寝たはず…
痛み止めがよく聞いていたので、当日は傷の痛みを感じなかったけれど、だるさは感じた。
また、気持ちの高ぶりや自分の汗臭さが気になってよく眠れなかった。
開腹手術ということで、定期的に助産師さんが来てくれて、熱を測ってくれたような気がする..
翌日以降の痛みの状況については、こちらの記事をどうぞ!
帝王切開は意外と多い!?
帝王切開って、出産のどれくらいの割合を占めるか知っていますか?
私は病院で、帝王切開の事前同意書の説明を受けた時「万が一の時のために」と言われましたし、自治体の母親学級では経膣分娩の話しかしていませんでしたし、「出産」で調べると経膣分娩のことばかりヒットするので、帝王切開はすごく稀なんだと思っていました。
イメージを数で言うなら、20~30件に1件くらいでしょうか。
ところが!
出産後に知って驚きました。
助産院も含めた出産のうち5件に1件
病院での出産に限ると4件に1件
周産期センターでの出産に限ると3件に1件
これが帝王切開の数だそうです。
そのうち、緊急帝王切開は約6割とのこと。
その割に、出産に関する情報のうち、帝王切開に関するものって少ないな~と感じます。
計画帝王切開が決まっている場合は、事前に帝王切開について調べると思いますが、緊急帝王切開の場合はなかなか事前に帝王切開について知る機会がないのではないでしょうか?
私自身がそうでした。
事前に知っておくことで、少しでも不安やモヤモヤを減らせると考えています。
緊急帝王切開は「まさか!」ではなく、誰にもあり得ることです。この記事がどなたかの不安やモヤモヤ軽減に役立ったら良いなと思っています。
※参考
4人に1人!?増加する帝王切開での出産と医療保険の関係性
帝王切開の約6割が“緊急帝王切開”! 必要なのは「心の準備とシミュレーション」

帝王切開についての気持ちを整理したい方にオススメの本
手術のことから次の出産まで、帝王切開について知りたい方にオススメの本